過食の人

 食べたい時に食べたいだけ食べるという欲求は、私にとっては1番満たしやすい欲求なのかもしれない。好き嫌いもあまりないし、アレルギーも無い、遅くまで開いているスーパーやコンビニも近所にある。食べることが好きで、幸運なことにコンビニやスーパーで好きなものを買えるくらいのお金はお財布にある。

 

  自分が楽しいと思える仕事がしたい、思ったように踊れるようになりたい、なんだか疲れが取れないからもう少し寝ていたい。日々の中の欲求は大小様々あるけれど、満たすことが難しいものがほとんどだ。長い目で見たら叶えられるものもあるかもしれないけど、今気持ちが湧いてきて、それが収まらないうちに完了マークがつけられるものは本当に少ない。

  あれもこれも思ったようにはいかない。自分に対する嫌悪や、自己評価の低さにどっぷり浸かっていると、明らかに悪手なのに「食べたいものくらい食べよう」という気持ちが出てきてしまう。そこは食べ物で埋められないとわかっているのに、食べて埋めようとする。

  

  食べたら食べたで自己嫌悪は酷い。吐くほど食べるわけじゃないから、確実に体についていく。いわゆるドラマ的な過食ではない。ストレスのはけ口が他に見つかれば解消していく。今まではそうだったけと、今後はどうかなって考えると結構怖い。

 

  歳を取れば取っただけ成長する、いろんなものを得ていくなんてのが標準的なのだと提示され続ける生活に疲れたのではないかと思う。歳を取れば取るほどぐずぐずになり、何もかも失っていくってことも充分ある。そっちのコースに入りたくないから、考えないようにしているだけだ。

  願うことがちっとも叶わないから、簡単に叶うことをすぐに手を出す。私のすぐそばに過食がある。